教育研究所ARCS

計画を立てる

ダイアリー

計画を立てる

塾ではいよいよ夏期講習。夏といえば受験の天王山。長い休みの時間を計画的に使って学力を大幅にアップすることができる時期です。そんなわけで、わたしも授業中によく「計画」の重要性を生徒たちに伝えます。「一日の勉強メニュー(計画)を立てたら、次は一週間ごとの見通しをつくって…」と、参考例を示しながら話すわけです。生徒たちの反応はというと、受験が切迫していない低学年は弱く、受験が近い3年生は真剣という、予想通りの結果です。

計画を立てることの有効性

日々計画について熱く語っている私ですが、ふと思いました。「計画を立てるのって本当に有効なのかな?」と。もちろんこれまでに大量の生徒を指導した経験から、計画をしっかり立てて実行した生徒の方が結果を残しやすいことはわかっています。

しかし、これはあくまでも二次的な経験に過ぎません。生徒たちの結果は自分が実際に行動した体験とはやはり違います。では、と自分の体験を振り返ってみると、かなしいことに私自身は勉強の計画を立ててもうまくいったためしがないのです。皆さんも覚えがあるかもしれませんが、夏休みの勉強計画は毎年最初の二、三日で頓挫し、8月31日に死にそうになりながら大量の宿題をこなすパターンです。悲しいことに、これは受験期も変わらず、好きな教科を好きなときにやりたいようにやっているだけでした。こんな失敗の歴史から、どうにも「計画」に苦手意識を持っている自分がいます。

自分自身への課題「ギター」

そこで今年の夏は、生徒たちに毎回話しているように、自分自身もしっかりと計画を立てて何かをやり遂げてみようと思い立ちました。やり遂げるべき課題は、勉強ではなくギター。「ギターの練習は楽しいんだから計画通りやるに決まっているじゃないか」と思われるかもしれませんが、残念なことにそうでもないのです。高1から初めて十数年、なんとなくギターを弾き続けてきたものの、実は全然うまくなりません。”曲っぽいなにか”を弾くことはできても、録音してみれば雑音だらけ。とてもキャリア十数年の人の演奏とは思えない下手さです。これまでも自身の下手さを改善しようと頑張ったことはありました。しかし、計画もなにもなく思いついたままひたすら弾いていたため、結局大してうまくならずに挫折を繰り返しているという、まさに鬼門なのです。

しかし今年は違います。
一日に練習する時間を明確に定めました。楽器が得意な妻のアドバイスも得て、効率的な練習メニューもしっかり決めました。指のウォーミングアップから始まり、スケール(音階)の練習をして、各種テクニックの練習をして、課題曲をやって、と、これまでだったら絶対に投げ出してしまうようなカチッとしたメニューです。

実行初日は案の定苦痛。
さすがに大人ですから一応時間通りやりますが、途中で退屈になってきます。しかし、それをこらえて三日、四日、五日と続けていると、なにやら不気味な「快感」を感じるようになってきたのです! それは計画を実行した日数が増えていく快感です。いつしか毎日の練習メニューは「やらなければならない苦行」から、「これをやれば達成日数の数字を増やせる行動」に変わりました。そして、そのまま現在まで二週間ほど続いています。8月いっぱいやりきることができた暁には、私のギター演奏力も少しは人並みに近づいていることでしょう。

生徒に計画を立てさせるとき、一般的には「計画を実行することに意識を向けすぎるな」といいます。こなすことが目的になってしまい、最も大切な「内容理解」がなされなくなってしまっては本末転倒だからです。しかし、今回の経験から、あるいはこんなアプローチもよいかもしれませんね。つまり「徹底的に”こなす”ことだけを意識しろ」と。私自身は実際にそうしてみた結果、自然と中身にこだわるようになりました。計画を実行できているという状態をよりよいものにするために、中身の充実を自発的に図ったのです。どうしても計画を実行できない人は、内容など考えずに「徹底的に”形”にこだわる」のも一つの手かもしれませんね。

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