教育研究所ARCS

今の時代、男の子には生きづらい?

教育・子育て

子どもたちや20代の若者を見ていると、つくづく今の青少年とりわけ男の子が育ちにくい時代だなァと思います。

そもそもが男の子は育てにくい!

男の子を育てたお母さんたちなら覚えがあると思いますが、男の子って小さい頃はすぐ熱を出したり気に入らないとグズったりします。
手を握っていても気になるモノや面白そうなモノがあるとすぐに飛び出し、転んだり壁に激突したり(笑)ハラハラし通しですよね。

その点女の子はスゴい。

放っておいてもだいたい健全に育つ!

女の子は社会のルールや集団でのふるまいとかを早くから身につけ、孤立しないように人間関係の調整にも気を配り社交術に優れています。
要するにコミュニケーション能力が高い。

男の子は基本的に、自己中心的でワガママで興味のあるものや好きな分野に特化していくが、他者とのコミュニケーションは粗雑な傾向がある。

マァ、一般的に言えばそうなるのでしょう。
その代わり男は「空間認識能力」が高く、遠くのモノや動く標的をとらえるのがうまい。狩猟本能でしょうか。

男と女の脳の構造が違うことは良く知られた事実ですが、長い進化の過程で自ずと役割の分化が違いを生んだのかも知れません。

お母さんたちによって作られた男の子像

ただ、最近の男の子を見ていると母親の影響によって“作られた男”が増えている気がします。
例えばお母さん方に「どんな息子になってもらいたいですか」と聞くと、たいていは「優しくて思いやりのある子」という答えが返ってきます。
「強くたくましい」もいることはいますが圧倒的に少ない。

私の印象では「優しい子」「思いやりのある子」というのは、母親が理想とする男性像なのですね。自分の理想を息子に投影している。

全く私の個人的見解ですが、日本の女性はどうも胸毛モジャモジャの男臭いマッチョ(笑)よりカワイイ子、どちらかというと中性的な男性の方を好む気がします。

あー、少女マンガに出てくる男の子みたいな(笑)?

昔から人気タレントといえばジャニーズ系だし。
アレは外国人の女性に言わせると「男に見えない」らしいです…。

話を戻すと、日本の特に最近の母親たちはこの「中性的な男性像」を息子に投影し、無意識に息子を“そのような男”に作り上げているような気がするのです。
一昔前までの社会が「男らしさ」を強調し過ぎたことへの反動もあるのかも知れません。
その結果、実際に優しい男性(若者)が増えています。

しかし、それが自然ににじみ出る優しさではなく―たとえば人生経験の中で挫折したり人の悲しみや痛みを知ったうえで自ずと培われた思いやりや優しさ―ではなく、母親の期待によって人工的に作られた優しさなら、男の子にとってかえって生きづらい世の中になったと感じます。
オスとしての闘争本能やアクティブな行動力を抑制して生きなければならないのなら、これはこれで不幸な状態だからです。

以前、懇談会の席で周りのお母さん方何人かに「思春期の男の子は少しくらい悪いこと―ケンカだとか悪フザケだとか―をすることで学ぶ面もあるし…」と言ったことがあります。

すると「イヤーっウチの子がそんなことするの絶対ダメ―!!」とブーイングの嵐でした。
あまりのヒステリックな反応に私も黙ってしまったわけですが(笑)、お母さんたちの「優しくて、まっすぐな男の子」像への執着の強さを垣間見た瞬間でしたね!

 男の「学び方」

しかし私が男の子はケンカなど悪さをした方が…と言ったのには意味があるのです。

男の子は女の子と違い社会のルールや、集団内でのふるまい方など「正しい姿」をストレートに学んでいくのは苦手だからです。

たとえば他人とケンカして取っ組み合ったり、時には殴り合った末に相手のことが良く理解でき友人になったりすることがあります。
友情の前の闘争というか…。

こんな場合も。私が中学生の時友人たちと田舎にサイクリングに行き、人っ気のない淋しい道にポツンと立つオンボロのバス停の破れた窓に、皆でひとりずつパンチをくらわせたことがあります。
かろうじて残っているガラス窓を空手で突き破る行為でした。
結果、私の右手の拳は血だらけになりました。

マァ、一種のキモだめし感覚?あるいは勇気のあるとこを他者に見せたいという…男らしさの誇示…?

この話を妻や女性にすると皆こう言います。

「バッカじゃないの!!」

「男ってホントにバカなのねえ~」

そうです。男はバカなのです(笑)…多分。

それがバカなことであると知るためにそのバカなことをあえてやってみることで、そのことを確認しているわけです。←バカです

つまり男というのは頭の中でルールの正しさを知るのではなく、そのルールを破った結果ひどい目にあったという“実体験”を経てルールの大切さを知るわけです。

ストレートな道ではなく迂回路を経ることで実感するわけです。

バカと言われようと不器用と言われようと男の「学び方」にはこのような特徴がある。

確かに時代は変わっていて、今このような迂回を許さない風潮、まっすぐ効率良く目標に最短距離で到達することを良しとする雰囲気があるのは事実です。

どれが良いとか悪いとかは一概には言えないと思います。

ただ、長く青少年たちを見てきてひとつだけ指摘できるのは思春期、青年期に「大人や社会から見ての良い子」を演じてきた子よりも、アチコチぶつかったり、迂回して遠回りしてつまずいた子の方が世の中では“成功”する確率が高いということです。

どうでしょうか。

お母さん方も、もうちょっとだけ息子を自由に“遊ばせて”あげては。

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