教育研究所ARCS

高校入試はいいシステム?

教育・子育て

この間の日曜日、私が勤めている塾で主催する、高校入試を迎える生徒の保護者の方に向けたイベントに出席してきました。私自身は大学入試がメインですので高校入試の現場を離れて久しいのですが、改めて高校入試の話を聞いてみて、色々と考えさせられました。

高校入試は、場合によっては大学入試よりもハードな試験かもしれません。大学入試の場合、受験する生徒は18歳。体も心も大人にかなり近づいています。受験も基本的には生徒自身のものであり、保護者の言葉に影響を受けることはあまりありません。もちろん志望校の選定など、将来の話については「人生の先輩」である親のアドバイスを求めますが、感情的な部分では完全に独立しているといってもよいでしょう。また、そうでなければ受験を勝ち抜くのは難しくなると言えます。

一方で、中学生は大人と子供が一つの体の中に同居しています。感情的な部分で親から受ける影響が非常に大きいのです。しかし、大人な部分は独立を求めます。この感情的な相克を内に秘めながら、それでも勉強を進めなければいけないのですから、その労力は大学入試を凌駕するものでしょう。それ故に、このキツイ体験は良かれ悪しかれ生徒の精神に大きな痕跡を残します。

私自身は私立中学校から持ち上がりで高校に上がったため、高校入試の経験がありません。一見楽そうに見えますが、実は大学入試ではかなり苦労しました。中学受験を経験しているものの、中学受験は完全に子供の入試です。精神的には完全に親に依存しているため、精神的な葛藤を全く気にせず「無意識に」受験しました。そのため、全てを自分で処理しなければならない大学入試になると、精神的な葛藤の処理の仕方を分からず、とても苦しんだ覚えがあります。もし高校入試を経験していたら、あの苦しみはだいぶ軽減されたことでしょう。

中学受験をさせようとしている親御さんと話すと、こんな理由をよく聞きます。曰く、「キツイ高校入試をせずに、落ち着いて大学入試を迎えられる」。実はこれはあまり的確な理由ではありません。上に述べたように、ただ問題を先延ばしにしているに過ぎないのです。

子供の成長過程の節目節目に試練が用意されている、この日本の入試システム。様々に批判されることが多いですが、そう捨てたものでもないな。そんなことを考えた日曜日でした。

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