どんな親も我が子が自立心旺盛な子どもに育って欲しいと願っています。
「ウチの子、自立心が乏しくて言われないと何もやらないんです…」
「そろそろ中2になるのに自分から意欲的にやろうとしなくて困っています…」
こういう話をよく聞きます。
そして
「どうすれば自分からやるようになりますか? あまりうるさく言わなきゃいいのでしょうか」
という質問になるわけです。
どうすれば自分からやるようになるか
自立心ある子に育てるにはどうすればよいか
確かに経験上受験生になって伸びる子、何かを成し遂げる子は自立心旺盛な子が多いのは確かです。
親としてもいつまでも依存心ばかりで頼りない我が子では心配になります。
早く自立して欲しい。しっかりして欲しい。
なので上のような「どうすれば自立心を育てられるか」という質問が出るわけです。
しかしこの質問自体に矛盾が含まれています。
そもそも自立心とは育てられるものなのかという疑問があるからです。
逆からたどってみましょう。
自立心ある子とは一体どうやって育ったのかを見てみれば良いのです。
たとえば、親が忙しくて子どもの面倒をあまりみてやれない場合。
母子家庭や父子家庭の中には実際、親が子どもの世話を十分できないことがあります。
あるいは兄弟が多く、下の子の面倒をみないといけない長男や長女。
これらの家庭環境で育った子の中には、自立心が大きく育つ子がいます。
この場合親が子どもを自立させようと企てたのではなく、子どもの方が自立せざるを得ない状況に追い込まれた結果、勝手に自立していたということになります。
もちろん親の目が行き届かないのをよいことに遊び呆けてしまう、あるいは自堕落な生活習慣におちいる子がいることも事実です。
なので一概に親が子どもの面倒を見なければ良いというわけではありません。
自立は目的ではなく結果である
それでも自立心は企てて育てるものじゃなく環境などによって自ずと育つものだとということが言えると思います。
つまり「自立心ある子にしよう」ではなく結果として自立していた…が正しい。
自立は目的とするものではなく結果であった、ということです。
先の、自立に成功した親の例でいえば、彼らは決して子どもに無関心であったのではなくもっと子どもと関わりたいにもかかわらず、種々の事情から物理的精神的に余裕がなかった。
そしてその事情を子どもも良く理解し、親の気持ちを十分に汲み取ったからこそ自立心を鍛えることができたということです。
あくまで結果として自立心が育ったのです。
ここまでの話から、子どもの自立心を促す環境づくりの重大なポイントが分かります。
一言で言うなら、それは
「子どもに関心と愛情をもちながらも極力手はかけず、子どもを困難な状況に置く」
ということです。
ここでもやはり「親のあり方」が問われていると言えましょう。
その親のあり方に関してヒントを述べるなら以下の2つになります。
①子どもの可能性を信じる
②物わかりの良い親を演じない
今回は親の皆さんに宿題です。
この①②を参考にご家庭でアレンジしながら子どもの自立について考えてみてください。
私の解答は次回お話しすることにします。
[…] 前回(⇒伸びる受験生に多く見られる自立心 果てして自立心は育つのか?)から引き続き子どもの「自立」についてお話します。 […]