教育研究所ARCS

静かなクリスマス

ダイアリー

クリスマス

今年のクリスマスも昨日で終わってしまいましたね。
今年は…いや今年も何となく地味なクリスマスだったなぁというのが私の感想です。

かつては11月になるとデパートや商店街は盛んにクリスマスソングを流し、ツリーを型どった派手なイルミネーションが点滅していた。そんな印象があるからです。

さらにクリスマスといえば、恋人たちがロマンチックな夜を過ごす♡というのも定番でしたね。(今もそうかも知れないけど…)

だから(というわけでもないのでしょうが)恋人のいない人はクリスマスまでには何としても、彼氏彼女をつくらねばという決死的覚悟というか悲壮感がただよって(笑)いたものです。

きっと一人で過ごすクリスマスはさびしすぎるという思いがあったのでしょう。

しかしよく考えてみると、これらの少々バカ騒ぎめいたクリスマスは「この時期に儲けよう!」という業界人たちの陰謀(?)によるものだったのではないでしょうか。

商魂たくましい商業主義に踊らされて私たちはキリスト教徒でもないのに、長年お祭り騒ぎを演じて来たのだと思います。

それが震災を機に自粛ムードが広がり、電力不足と相まって地味クリに変わった。
そしてそれが定着しつつある。
そんな気がします。(マァ、バカ騒ぎの方はハロウィンに移ったというウワサもありますが……)

成熟した社会にこそふさわしい落ち着いたクリスマス

私はそんな落ち着いたクリスマスも悪くないと思います。

シンシンと冷え込むクリスマスの夜に、この1年を振り返り静かに落ち着いてこれからの人生を考える。
家族とささやかなごちそうを楽しく語らいながら食し、日頃伝えきれていない感謝の思いを、これまたささやかなプレゼントに託す。

恋人と2人で過ごすのも、外で仲間と楽しくパーティで盛り上がるのも悪くはありません。大いに楽しんで欲しい。

ただ、もう商業主義に乗せられての浮かれ騒ぎは終わりにしたい。
そして家族や本当に大切な人の元に帰り、少しだけ敬虔な気持ちで聖なる夜を過ごす。

そんなクリスマスも良いなと思うのですが…。
その方が成熟した社会の人間にふさわしいと感じるからです。

 

そういえば今年はすばらしいクリスマスプレゼントを頂きました。クリスマス直前私の誕生日に柄にもなく(?)ピアノコンサートに行ったのです。

あの世界的に有名なピアニスト辻井伸行さんのコンサートです。
一度ナマで聴いてみたかった辻井さんのピアノ。

もちろん大感激の演奏でした。ありきたりな表現ですが、まさに魂が浄化されるような透明な音色。それが満員の聴衆を飲みこんだオペラシティの空間に響き渡る。

やがて何曲か弾き終わると辻井さん、思いついたように「クリスマスも近いので…」と言い即興でクリスマスソングをメドレーで奏で始めたのです。

名ピアニストによるクリスマスソング…。

何とも贅沢な時間でした。豊かなひとときでした。
そして素晴らしいクリスマスプレゼントでした。

外に出るとビルの周りは都心のわりに静寂で、真冬の夜の冷たさだけが足元から這い上がってきます。

Silent night Holy night…

やはりクリスマスは静かで聖なる夜こそがふさわしいのですね。

良いお年を!

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