以下の2つの宣伝文句を読んでみて下さい。
A:昨年の合格実績は東大3名を始め、早慶など難関大学に多数の合格者を出しています。
また今年度は初めて国立大の医学部にも合格者が出ました。
私たちは生徒の合格を目指し、コース制を導入し学力別にきめ細かく指導しております。
来年からは医学部歯学部進学コースも設置する予定で、少人数のもと徹底した学習指導を行っていきます!
B:私たちは「目先の点数」ばかり追うことは、むしろ子どもたちの将来を考えると有害だと感じています。
答えの出し方やテストに出そうな問題ばかり機械的に繰り返す。こういう勉強は本当の力にならないと考えるからです。
答えに至るプロセスとその中での試行錯誤こそが大事ではないか。
私たちは「入試で燃え尽きない学力」こそが本物の学力と考え、子どもたちが「学ぶ楽しさ」こそを追究していきたいと思っています。
さて、ここでクイズです。
AとBはどちらも生徒募集のための宣伝文なのですが、一方が塾(予備校)で、もう片方は学校のものです。
Q:どちらが塾(予備校)でどちらが学校の宣伝文句でしょうか。
お分かりでしょうか。
もしかしたらAが塾か予備校で、Bは学校と答えましたか?
正解は、Aが学校。Bは塾です。
えっ?ウソだろうって…?
違います。Aが学校でBは塾です。
では、もう一度AとBの宣伝文をお読み下さい。
読みました?
その上でもう一度言いますが、Aは最近の私立高校などの説明会やパンフレットで強調される典型な宣伝から一部抜粋してまとめたものです。
で、Bは私が30年前塾をつくった時にチラシやパンフで訴えた「我が塾の教育理念」です。
もちろん今もこの塾はこの方針を堅持しています。変えるつもりはないようです。
多分、先のクイズで不正解の人の頭の中は「学校は人間教育主体」、塾や予備校は受験産業だから合格を売りにするものという、決まったパターンがあるのでしょう。
そういう人から見ると、これは逆転した現象に見えるかも知れません。
もちろんAのような学校も人間教育という項目は入っていますし、我が塾も入試シーズンには「合格速報」を打ち出していますが、自分をアピールする上でもっとも大事なところは何か、生徒を獲得(イヤな言葉ですが)する上での「売り」は何かと言えば、冒頭の宣伝文句(本音)になるわけです。
これはある意味面白い逆転現象ではないでしょうか。
これは何を意味しているのでしょうか。
「答え」は皆さんが考えて欲しいと思います。
ヒントは皆さんの心の中、観念の中にひそんでいると思われるからです。
私にとっては、ただ面白い現象だと述べるにとどめたいと思います。
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