教育研究所ARCS

「お母さん」へのメッセージ ~2通目~

教育・子育て

今日はお母さんのタイプ第2弾として、世話焼き密着型のお母さんについてお話します。

世話焼き密着型とは…

これは読んで字のごとく、子どもの面倒をよく見て、何かと世話を焼きたがるお母さん。

子どもの塾やスイミングなどの習い事にも積極的で、送り迎えはもちろん子ども以上に先生の説明を熱心に聞き、帰ってからも子どもに復習させる。

単なる教育ママと違って、このタイプのお母さんは「子どもの将来のため」という打算的な動機からではなく、心からそうしたいから世話をする。世話をすることそのものが好きだからしている、という「お母さん」らしいタイプです。

とても母性愛が強く、そういう意味ではもっとも「良き母親」の典型と言えるかも知れません。

一昔前まではもっとも多く見られたタイプですが、この10年程度で「世話焼き密着型」は減りつつある気がします。

それでもこのタイプのお母さん、まだまだ消滅(失礼)したわけではなく「良妻賢母」を良しとする日本では根強い人気(笑)を誇っています。
何といってもやはり子どもにとっては、優しく面倒を見てくれるお母さんの存在は必要ですからね。

ただ、このタイプのお母さんにも落とし穴があります。

尽くすことが愛情だと思いこむ

…ということです。
子どもが幼いときや小学校低学年までなら、母親の庇護と母性に満ちた面倒見は大変役に立つでしょう。

しかしやがて子どもも思春期になれば、自立心が芽生え母親の介入が「ウザく」感じ始めます。

このタイプのお母さんは、傾向として「他人に尽くすことが愛情」と思いこんでいます。

だから「ほっといてくれ」とか「うるさい」と言われることはとても傷つくし、自分の存在が否定されたように感じてしまうのです。

このタイプのお母さんに言いたいことは、次のことです。

世話焼き密着するお母さんへ

子どもの面倒を見ることが生きがいと感じてきたあなたにとって、子供や夫から「うるさい」とか「構いすぎだ。少し放っとけよ。」と言われる時が一番つらいでしょう。

「こんなに一生懸命なのに、どうして分かってくれないの!」という気持ちになるでしょう。

でも、そう思ったときが実はチャンスなのです。

自分の考え方、生き方を振り返りもう一度新たな出発をする好機と考えて欲しい。

あなたは長い間、人に尽くすこと…
自分を犠牲にしても他人のために尽くすことが愛情の証だと信じこんできたのではないでしょうか。

その思いこみを手放しましょう。

少し酷な言い方かも知れませんが、あなたは自身が「自分を犠牲にして人に尽くさなければ愛を得られない」という恐れを持っているのではないでしょうか。

その恐れが、尽くすことで愛情を与える姿勢を支えています。そして「評価される」ことを求めてしまいます。

つまり条件つきの愛です。

相手に密着し世話焼き続けることは、時として相手を追いつめ息苦しくさせてしまいます。

それが我が子なら、自立を妨げ足を引っ張ることになりかねません。

まず、あなた自身が「自己犠牲の下で相手に尽くさないと愛されない」という恐れを手放して下さい。

その上で自分自身を愛してあげて下さい。もっと自分に「我ガママ」を許してあげて下さい。
自分を犠牲にして人を幸せにすることはできません。

自分自身が幸せでなければ人を幸せにすることはできない。
自分が自由でなければ人を自由にできない。

自分が満たされていなければ人を満たすことはできない。

どうかこの言葉をかみしめて下さい。

あなたは今まで充分すぎるくらい一生懸命、人に尽くし、子どものために頑張ってきました。

子どもが思春期になった今こそ、そのあり余る豊かな愛情を自分自身に注いで下さい。

好きなことに眼を向け、やりたかったがやれなかったことをやり始め、自分の行きたい所へ行き、食べたいものを食べましょう。

少しだけ自分本位な生き方を自分に許しましょう。
罪悪感はいりません。

そうして、子どもがより広い世界に向け羽ばたくことを許しましょう。

恐れはいりません。

大丈夫です。

あなたの愛情をタップリ受けて育った子は、立派に大人としてやっていけます。

やがてお子さんが十分大人になった時、あなたのことを「イイおふくろだったなァ」となつかしく振り返るでしょう。

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