教育研究所ARCS

作文の姿勢

教育・子育て

作文の姿勢

先日、塾で担当している小学生の作文を大量に読む機会がありましたが、改めていろいろと考えさせられる体験でした。受験においていわゆる「記述力」が求められるようになってからかなり経ちます。実際に記述小論文を教える立場として、これまでもいろいろな試みをしてきましたが、なかなかうまくいきません。

文章を書くためのテクニックはそこまで問題ではありません。時間をある程度掛ければ生徒たちはみな「そこそこ」読める文章を書けるようになります。
本当に問題なのは、「姿勢」なのです。文章を書くということは、ただ原稿用紙のマス目を埋める行為ではありません。文章を通じて読者に対して何らかのメッセージを伝えることです。しかし、小さな頃から課されてきたいわゆる「学校的な作文」を通じてその姿勢は摩耗し、生徒たちは作文をただこなすべき課題としてしか捉えられなくなっているのです。

いたずらをするように

私は生徒たちによく「いたずらをするように書きなさい」と伝えます。いたずらをするとき、あるいはしようと計画を練っているとき、私たちは必ず相手の驚いた顔を思い浮かべているはずです。私自身を振り返ってみても、小学生のころ、教室の出入り口のドアの上に黒板消しを挟むセッティングをしながら、先生の驚く顔を思い浮かべていました。

文章もそれと同じです。読んだ相手をいかに驚かせ、気を引くことができるか。読者に「読んでほしい」と思う姿勢がすべての核になります。生徒がまだ幼い場合、突飛なことを書き出して収拾がつかなくなってしまうことも多々ありますが、それでも予定調和のひからびた文章よりもよほど将来性があります。

保護者の中には、お子さんの作文を読まれて「めまい」を感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。漢字は書けていないし、文章は支離滅裂だし、と大人の視点で見ればとても「へたくそ」に見えるかもしれません。しかし、見るべきポイントはテクニカルなところではありません。書いた子どもがなにかを伝えようとしているか。そこを見てみてください。伝えようとする姿勢があれば何の問題もありません。時間とともにクオリティはどんどん上がっています。伝える気がない定型文の連なりになっていたとしたら、そのときこそアドバイスをしてあげてほしいと思います。

母親塾ガイダンス(説明会)参加者募集中

4年目を迎える母親塾。好評につき、今年も5月に開講予定です。真に子育ての知恵を学びたいお母さんのために。
詳細はこちら

520 views

今後のご案内

開催日: 2024年04月26日(金)

母親塾(Happy Mother Club)

2024年度 母親塾 5月開講 4/29(月)、5/6(月)母親塾説明会(ガイダンス)を開催します! ※申込受付中 真に子育ての知恵を学びたいお母さんのために …

お悩み相談室

子供に「だんだん苦手な教科が出てきたが、どこがわからないのかがわからない」と言われた

子供に「だんだん苦手な教科が出てきたが、どこがわからないのかがわからない」と言われた

最初から核心を書いてしまうと、この台詞には二つの意味があります。一つ目は「(ある単元、分野の説明を)一回聞いたが頭がこんがらがったので、(面倒くさいから)あきら…

中学受験が子どもをダメにする

「本当の学力」を望むなら、親は思い込みを捨てなさい。

ついに管野所長の書籍が発売となりました。講師歴35年以上、長年の教育実践の経験を1冊の本にまとめました。中学受験を検討中の方、子どもに本当の学力を望む方はぜひ読んでいただきたい書籍となっています。

ご購入・Amazonレビューはこちら

コメントはお気軽にどうぞ

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

CAPTCHA