夜中になると氷点下の日々がやってきました。今年は昨年の同じ頃に比べて体感温度がやけに低く感じます。なぜかと考えてみると、今年頭に始めたダイエットの甲斐あって、去年よりも10キロ以上痩せたことが原因でした。いわば、脂肪の全身タイツを脱ぎ捨てた状態。椅子に座れば骨が当たっていたいし、あばら骨は浮き出るし、と初体験ばかりで新鮮です。
二桁キロ体重が落ちると、体の大きさ自体が変わることも今回初めて知りました。手持ちの服がとにかくブカブカで、ズボンなどはベルトをかなりきつく閉めても昔懐かしの「腰パン」状態になってしまいます。これではマズいとサイズの小さい服を買い集めている今日この頃です。
大量の服を買わなければならないとき役に立つのは「セール」。新年になるとほとんどのお店が一斉に安売りを始めますので、私もそのときを待っていました。しかし、この間なにげなくお店をのぞいてみると、すでに「Winter Sale」の文字が! まだ12月の頭ですから、これから冬本番なのに、すでに主力のコートがガンガン割引をされています。これはどういうことだろう、といろいろ調べてみると、こんな流れだそうです。
セールが頻発する理由
- ①昨年度の売り上げにプラス○○%という形で販売計画を立てる
- ②達成できない
- ③セールでブーストする
- ④セールではない月は極端に売り上げが落ち込む
- ⑤売り上げの落ち込みをセールで回収する
- ⑥利益率が落ちる
私は衣料品業界を全然知らないただの消費者なのでこれが正しいのかどうかは解りませんが、買い手として考えてみても確かにセールが頻繁にあるお店ではセール以外の時期に買うのをためらってしまいます。そして、セールに慣れると10%、20%の割引率では物足りなくなり、50%オフ、70%オフを待ち望んでしまうのです。売り手にとっても買い手にとっても、一見いいことづくめの「セール」はどんどん刺激(お得感)を求めてエスカレートしていくという意味で、麻薬のようなものかもしれません。
セールにはもう一つ、重要な意味があります。それは、「物の価値が解らなくなる」ということ。つい一日前までは30000円だったのが、次の日には15000円になっているという情景が当たり前になると、果たしてこの服には30000円の価値があるのだろうかと悩んでしまいます。もちろん「価値」は相対的なもので明確な指標があるわけではありませんが、同じものがいきなり半額になってしまっては、買い手の私たちは値付けという指標をまったく信じられなくなります。
塾業界にも同様の風が…
私が勤める塾業界も、最近この「セール」が行われるようになりました。特に春・夏・冬の講習は絶好の「セール」時期です。しかし、時期によってサービスが無料だったり30000円だったりするというのは少し変に感じます。教育という目に見えないものだからこそあまり目立ちませんが、服でいえば商品を「無料のおまけ」にしているようなもの。その「無料のおまけ」化したサービスと通常月の授業と果たして「同じ価値」があるのかどうか、買い手はしっかり考えてみる必要がありますね。
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