デジタルガジェット好きということもあり、わたしはよく授業でインターネット界隈のニュースを取り上げます。新しい機器やサービスが社会にもたらす影響を考えていくと、思いがけず意外な結論にたどり着くことも多く、生徒たちも興味を持ってくれるようです。
そんなわけで、ここ最近の一押しは「apple music」です。このサービス、一ヶ月の定額料金でいろいろな音楽を聞き放題というものですが、とにかく聴ける曲が膨大。iTunesにある洋楽はたいてい聴けるということですから、やろうと思えば一日24時間ずっと「初めて聴く曲」を聴き続けられます。(邦楽は聴ける曲数があまり揃っていないようですが…)。実際に使ってみると、なんというか、音楽の海に飛び込むような、とても自由な気分です。CDを買いに行く必要もなく、思い立ったときに思い立ったままに好きな曲を聴けるというのはとても不思議な感じですね。
しかし、一方で、漠然とした不自由も感じます。あまりにも何でもありすぎるが故に、何から手をつけていいかわからないのです。Apple もそれをわかっているようで、「おすすめプレイリスト」という形で聴くべき曲を提案してくれていますが、これがまた面白い。大好きなミュージシャンの「おすすめプレイリスト」を見ていると、プレイリスト作成者がなぜこの曲を選んだのかといろいろ考えて想像が膨らみますし、これまで聴いたことはなかったけれど興味があったミュージシャンのそれであれば、とっかかりとしてとても役に立ちます。
スマホでは、日々大量に生まれるニュースの中からユーザーが興味のありそうなものを選んで紹介してくれるアプリが人気ですが、今回のapple musicしかり、これからの社会はこの「紹介」がキーワードになりそうです。膨大な情報を手に入れようと思えばいくらでも手に入れられる社会では、情報の価値の大小を考えて「選別」することが大切になります。そう考えてみると、わたしたち講師(先生)の役割も同様かもしれません。普段当たり前のようにやっている授業でも、実は教科書の中から「受験に役立つ」という価値を元に重要なものを抜き出しているわけですから。
当研究所も、教育に役立つ「重要度の高い」情報を適宜ご紹介していく「プレイリスト」を目指そうと思います。
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