高校受験はこの1か月が勝負
今日あたりからほとんどの中学校は冬休みに入ります。受験生をもつ親御さんも、我が子の受験がいよいよ間近に迫って来た緊張感をひしひし感じているかも知れません。
最後の追い込みだ!
長い受験勉強もいよいよ佳境を迎えた!
うちの子ちゃんと乗り越えられるかしら?
色々な思いが交錯しているでしょう。
一方で「直前期なのにうちの子大丈夫なのか。本気で勉強に打ち込んでいるように見えない…」「今だに成績(模試の偏差値など)が伸びてこないので心配…」「この時期なのにまだダラダラしている」
そういう焦りや心配を感じている親御さんもけっこう多いのです。
さて、長年受験生を見てきた私としては次のことを告げたいと思います。
ビックリせずに聞いてください。
8割以上の高校受験生はこれまで本気で勉強してない。
多くの受験生は「本気スイッチ」が入るのは年が明けてから。
なので今すぐ本気モードで勉強すれば十分間に合う。
どうでしょう。これを聞いて驚く親は多いのではないでしょうか。
「エーっ、今まで本気でやってなかった?」
「これから間に合うって本当ですか?」
「今まで毎日のように塾に行ってたのは何だったの?」
そんな声が聞こえてきそうです。
確かに子どもたちは中3になってからの勉強量は増えています。塾などでも入試対策はやっているので全然学力がついていないということはありません。
ただ、ここまでの勉強は「受け身の勉強」であって自ら主体的に取り組んできたわけではないのです。いわば「やらされてきた勉強」に過ぎないのです。
そして中学3年生というのは昔から、そんなものなのです。
高校受験生3つのタイプと偏差値のカラクリ
11月~12月のこの時期、高校受験生たちは次の3つのタイプにわかれます。
① すでに本気モードに入り順調に学力を伸ばしている(およそ全体の1割未満)
② すっかりあきらめて勉強から逃げている(1割ほど)
③ ①でも②でもなく、一応勉強しているが本気ではなくアリバイ的にやっている(8割強)
つまり、ほとんどの子は③タイプということです。
「自分は受験生なのだからやらなくてはいけない」という義務感だけで机に向かい、何となく与えられたものをこなしているだけ。
さらに塾などで「入試演習」などたくさんやらされているので、ずいぶん勉強しているというつもりになっている。
そうです! 勉強しているつもりになっているだけです。(確かに中2のときや中3の1学期に比べると勉強量は増えているが)
しかしその割には偏差値は伸びない。なので焦る。「アレ、おかしいな。こんなにやっているのに成績が上がらない…」
親や先生からもアレコレ文句を言われます。
その結果ますます不安が募り、また「形だけ」机に向かうという悪循環。
偏差値というのは結局のところ順位です。その試験での相対的位置を表す座数でしかない。実力そのものを端的に指し示すものではないのです。周りが上がれば自分の位置は下がる。少しくらい勉強したからといって、周囲がそれと同等かもっと熱心にやれば、順位はなかなか上がらず時には下がってしまう。
なので偏差値に一喜一憂する意味はあまりないのです。
偏差値とは「この試験において今自分がどのくらいの位置にいるか」を大ざっぱに表すものに過ぎません。
実力そのものを表しているわけではないのです。
親の皆さんも、そこらへんはお子さんにしっかり意識させた方が良いと思います。
下手に「点数・偏差値」という数値で子どもを責めてしまうと、子どもたちは自信を失い②のタイプつまり「あきらめて逃げ出す」可能性があります。注意してください。
あと、合格可能性○○パーセントというのも当てになりません。
良く考えてください。入試は受かるか落ちるか2つに1つです。合格か不合格かどちらかしかないのです。合格を100点とすると、100点とゼロしかないということです。
可能性60%などと出ると、何となく6割受かるというイメージですがそうではなく、あくまで本人から見れば受かるか落ちるか、100がゼロかしかないということです。
子ども自身もよく分かっていません。可能性70%とか80%と出ると受かった気になりますが、そんなこと分かりません。同じ業者の模試を去年受けた同じくらいの点数の生徒たちが、その学校に7~8割受かったという統計上の話であって、あくまで昨年(過去)のデータから見た確率です。
40%しか出ていなくても受かることもあれば、80%でも落ちるときは落ちます。
当たり前の話ですよね。
だから親は、自分の子どもが合格する可能性は十分あると信じてあげればよいのです。
本気スイッチを入れるために親ができるたった1つのこと
さて話を戻します。
多くの受験生が③のタイプだとすると、彼らはこれからどうすればよいのか。
これまたカンタンな話になります。
本気になればよいのです
どのように?
主体的になることによって。
今まで彼らは「やらされていた」のです。受け身です。そして頭では「受験生なのだから」「勉強しなければ」と思っています。 あくまで思っているだけです。つまり本当の意味で当事者意識がないのです。
驚かないで冷静に聞いてください(笑)
彼らは自分が「受験生」という実感はないのです。頭で思っているだけで身体全体で理解しているわけではないのです。
しかし、そんな彼らもいよいよ「本気」「ヤル気」のスイッチが入る時が来る。
それが年明けです。
早くてもこの冬休み。
本気スイッチがいったん入れば、すさまじい集中力とエネルギーを勉強に注ぎ込みます。
15歳の高校受験生の集中力は本当にすごく、1か月で実力が倍増することも珍しくないのです。
35年以上高校受験生を見てきてこれだけは感動モノで、まさに奇跡を目の当たりにする思いです。(この感動があるから長年受験生指導をしてきたと言えるくらいです。)
ここまでのこのブログを読んだ、受験生の親御さんはきっとこう言うかも知れません。
「じゃ、どうすれば本気スイッチ入るの?」
「本気スイッチが入るために親はどうすればいいのか。教えて欲しい!」
「早く教えろ!(怒)」 怖っ
申し訳ありませんが親にできることはないのです。
「エッ、ない?」
「何も…?」
何もない…というかこの時期親は何かしてはダメなのです。親が下手に介入すると、たとえば「受験近いよ、ちゃんとやってるか」「いよいよだぞガンバレよ」などと言うのは全く…全く逆効果です。絶対やめてください!
多くの子どもたちがこの時期本気モードに突入するのは追い込まれたからです。
頭では「受験がある」と知っていながらどこか逃避し、アリバイ的な受け身勉強しかして来なかった子たちが、冬休みに入り年が明け「もう、受験するしかないのだ」「もう逃げられない」と絶体絶命の境地に至ったからこそ、「もうやるっきゃない!」と開き直って(笑)本気スイッチを入れるのです。
親のくだらないお説教は、せっかくの点火スイッチを遅らせてしまうだけでなくヤル気そのものを失わせてしまいます。
ですから親にできることはただ一つだけです。
どうしても子どもに言いたいことがあるのなら、いつものようなお説教調ではなく子どもを呼んで眼を見てこう言ってください。
まだ間に合う。しっかり全力を出し切りなさい。
そう優しく、穏やかに言い後は子どもの「自発力」を信じて完全に手放しましょう。
もし、あなたが子どもに信頼されている自信がない(笑)なら、このブログを見せてこう言ってください。
「この先生はね、35年も受験生を見てきた偉い先生(笑)なの。この先生は今からでも全力を尽くせば間に合うと言ってるから読んでみて♡」
そしてもし、お子さんが読んで目を輝かせたなら元旦のブログも読ませてあげてください。
そこにはお子さんに向けたメッセージが書いてある(はず?)ですから。
元旦のブログ更新しました。
高校受験は一生の宝 受験生へのエール
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