教育研究所ARCS

お母さんへのメッセージ ~4通目~

教育・子育て

これまで「お母さんのタイプ別メッセージ」を3回に渡って書いてきました。

今回は最後のタイプ「中道バランス型」のお母さんについて話してみたいと思います。

このタイプのお母さんは、叱るべき時はきちんと叱り、優しく接するときは適度に子どもの甘えを受け入れるなど、子育てのバランスがとても良いのが特徴で、その意味で理想の母親に限りなく近いと言えます。

さらにこのタイプのお母さんの良い所は、子育てにおいて勉強面だけを重視するのではなく、スポーツや芸術、友人関係など多方面に子どもの才能、可能性を伸ばして行きたいと考えている点です。

「それなら私だって考えてる!」と言う方もいるかも知れませんが残念ながら多くの親御さんは、やたら習いごとに連れ出したり早くから英語など早期教育を受けさせたりと、子どもの向き不向きや、意見を無視して自己満足しているだけの場合がほとんどなのです。

中道バランス型には成り済ましが多い

その点「中道バランス型」お母さんは、自分の期待や身勝手な夢を子供に押し付けるのではなく、またエゴイステックな計算に基づくのでもなく、ガツガツせずもっとユッたりと見守りながら子どもの資質を観察し自然と子どもの才能が開花することを楽しむ余裕があります。

だから一部のお母さん方のように、子どもにのめりこむことはなく自分自身の趣味や、打ち込むことを持ち、夫や友人との交流にもエネルギーを注ぐなど生き方そのもののバランスが良いのです。

こう書くと「中道バランス型」のお母さんは良いことづくめですが、難点は当たり前ですがめったにいない(笑)。なかなかお目にかかれないのです。

いや、この言い方は正確ではないかも知れません。というのも、表面的にはこのタイプのお母さん、以前より増えているように見えるからです。

どういうことでしょうか?

ここまで読んで何となく見当がつくかもしれませんが、本来このタイプではないお母さんたちも「中道バランス型」が理想と考え、中道バランス型を装う人が増えているというわけです。

まあ、成りすまし…ですね(笑)。

「成りすまし」とは大変失礼な言い方で、お気を悪くされた方にはお詫びします。(汗)

ただ、前回も言いましたが最近は子育ての知識も行き渡り、高学歴の母親も増えている関係で「良き母親」「賢い母親」像が定着しつつあり、多くの母親たちが「中道バランス型」をそのモデルとして採用し始めたのではないか。

特に前回の「冷静客観タイプ」の人などは我々も「中道バランス型」と見分けがつかないこともあります。

たとえば、普段は面談などでお話しすると我々から見ても感心するくらい子どもと良い距離をとり、子育て方針も立派としか言えない典型的な「バランス型」と思えたお母さんが、何かの拍子に子どもがトラブルを起こす―たとえば不登校になってしまった、入試で不合格になった等―時、とたんにパニックにおちいって「他者のせい」にしたり「我が子に当ったり」とエゴイステックなふるまいに出ることがあります。

パニックになるのは仕方ないとしても、日頃から口にする「勉強だけが全てではない」「他者への思いやりが大事」「子どもの自主性を尊重しています」などの言葉がお題目に過ぎなかったのか…という落胆と驚きの方が大きい。

私などその落差に衝撃を受けてしまうことがあります。

中道バランスを目指す努力はすばらしいと思います。そこには「良き母」になろうとする純粋な想いがあるからです。

しかし簡単に「中道バランス型」になることは難しいのです。

マスメディアや識者のアドバイス、子育て本からの知識をうのみにして、聞こえの良い言葉をスローガンのように言い聞かせても「良い母親」になるわけではないのです。

スローガンで子どもが育つわけではないからです。

それでは、中道バランスタイプのお母さんと、それを目指すお母さんに私からメッセージを贈ります。

中道バランス型のお母さんへ

あなたの子育てはとても理想的で素晴らしいと思います。

しかし、ここまで来るにはそれ相応の苦労があったことでしょう。

子育てはキレイごとでは済まされない。

元々バランス感覚に優れたあなたであっても、様々な試行錯誤があったと思います。

厳しく叱るべきか、そっと見守るべきか判断に迷い結果として、後悔したこともあったはずです。

それでも、あなたはその失敗の経験から学び子どもの性格を見極め、何が子どもにとって最適なのかつかみとってきました。

あなたのすばらしいところは、結局子どものことをは「信じて手放す」しかないのだということを、自らの経験や知識を通して知った点です。

兄弟がいて、上の子を育てた経験から学んだのか、尊敬できるママ友などとの交流から得たのか、書物などの知識を通して学んだかいずれにせよ大切なことは、子どもの将来を信じて子離れする覚悟を身に着けたところです。

子どもが思春期を過ぎたら、これからは母親の役割をひとまず卒業してご自分のための人生を生きて下さい。

知的好奇心の強いあなたなら、きっとまた学ぶ課題を見つけて充実した生を送ることができるでしょう。

中道バランスを目指すお母さんへ

あなたの「良き母」であろうとする熱意、努力はとても素晴らしいと思います。

あなたは真面目な人なので常に正しい母親像を求めてきたのでしょう。

ただ、その真面目さが裏目に出ることもあるのです。

あなたは「正しさ」にこだわり過ぎるかも知れません。

あなたは、もしかしたら子どもの頃から親や先生の言うことを良く聞く子だったのではありませんか。勉強もできた方でしょう。

だから親になっても、つい「正しさ」を追い求めてしまう。正しい母親としてのあり方があると思ってしまう。

しかし、子育てに正解はありません。百の家庭があれば百通りの子育てがあるのです。

世間やメディアが押し付ける「正しさ」の仮面をつけることが正解ではありません。

マニュアルはないのです。

厳しい言い方ですが、あなたは心底に自信のなさ、不安を抱えているのです。

でも、あなたのお子さんはちゃんと育っているのではありませんか。

口当たりの良い子育て論や理想のモデルを追い求める前に、まず自分の子どもをしっかり見つめて下さい。

言葉にならない子どもの心の声に耳を傾けてみて下さい。

必ず聴こえるものがあるはずです。

外に答えを求めるのではなく、ご自分の心の内側に入りその声を聞き、しっかりと子どもと向き合うことで「答え」は自ずと表れます。

そして我が家だけのオリジナルな親子の物語を創造していきましょう。

大丈夫です。

子どもは必ずあなたに応えてくれます。

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