シリーズ教育を斬る!第3回「‘好きだと思う’ことのチカラ」
BREAK TIME②~「継続は力なり」とは限らない?~
高橋:実は僕、小学生のときに剣道をやっていたんです。親に言われるがままに週3回、5年間続けていたんですが、これは本当に意味がなかったなと思います。
―剣道とは意外ですね。なぜ無意味だと?
高橋:嫌だったからですね。僕は心臓が弱かったということもあって、心身を鍛えるという意味でやらされていたんです。でも僕は闘争心が全くないのでコイツを叩いてやろうなんてこれっぽっちも思わなくて。逆に叩かれてばかりで嫌でした。
─そうでしたか(苦笑)。嫌なら辞めたいって言えばよかったのでは?
高橋:これが不思議なもので、間違いなく嫌なのに、実際にやっていくうちに「剣道をやっている僕」というのが、自分の個性というかアイデンティティの一つなのかなと子どもながらに思うようになっていたんです。だから辞めるという発想自体がなかった。辞めたいというと周りを気分悪くさせるだろうし。
─あるあるですね(笑)。どう見たってヤル気ないのに「やめる?」って訊くと「やめない!」っていう親子のやり取りは本当にしょっちゅう見ます。
高橋:続ける中で意味を見いだせる場合は、続けていて良かったというふうになるんでしょうけれど、僕の場合はそんな感じでしぶしぶ続けていたので、何も得るものがありませんでした。
─よく5年間で終止符を打てましたね。どのようにして辞めるきっかけを?
高橋:中学校に進学したからです。そもそも僕が通っていたのは小学生対象の道場だったので。
─それは助かりましたね(笑)。