教育研究所ARCS

私立高校説明会2015のウラ側―ARCS3人衆による座談会

私立高校説明会2015対談

20年以上の歴史を誇る塾クセジュの私立高校説明会が、25周年を迎えた今年から教育研究所ARCSの主催として再出発しました。この時期は小中学校の運動会など様々なイベントと重なる時期にもかかわらず、多くの保護者の方に来ていただき盛況のうちに終了しました。この場を借りて御礼申し上げます。ARCSの主催ということで、内容にも新たな工夫や進化が盛り込まれたこともあり、出席された方のアンケートを見る限り、これまでの中で最高の評価をいただけたと思います。

さて、ある程度時間が経った今だからこそ、研究所所員3名に今年の私立高校説明会を振り返ってもらい、舞台裏話はマル秘エピソードを語ってもらいました。

あえてひっくり返したかったのは…

池村:どうも、お疲れ様です。と言っても、もう11月になってしまいましたね。先月にやっとアンケートの集計が終わって、その結果を各校にフィードバックしてやっと落ち着いてきた感じですね。

管野:なんか遠い昔のような気がするが、まだ1ヶ月ちょっとしか経ってないんだね。まぁ今年は例年以上の大成功だったと思うよ。

庄本:そうですね。色んな部分で変更や新しい要素を加えてきましたからね。当然の結果でしょう(キリッ)。

管野:池村君を中心に準備がなかなか大変だったけど、今年のコンセプトというか重要なポイントを改めて君の口からお願いします。

池村:とにかくこのイベントの原点に帰ってみたんです。管野先生が25年前に企画したときの思い‘地域の教育力向上に貢献したい’ということ。そこを第一に考えてゼロベースから考えたんですよ。そこでまず出てきたのが『参加校に斬新さを』ということでした。本音を言うと、この近隣の私立高校には「絶対にここがオススメですよ!」と生徒や保護者に強く推せるところがないんです。学校数が少ないこともあって、黙っていてもある一定レベルの受験生が毎年入ってくれるという暗黙の流れが出来ているんです。

庄本:それに対して都内の高校などを取材に行くと、まず‘危機感’がありますよね。企業努力を続けていかないといつ潰れるかわからないっていう。

管野:それは私も感じるね。だから都内の学校は建学の理念が明確であることが多い。独自性がないと生き残れないから。

池村:もちろん近隣の学校も理念は掲げていますけれど、それが絵に描いた餅になっている場合が多いことは否めません。だから今回は今まで参加していない学校に対して、この私立高校説明会への参加を促したんです。要は近隣校に対するプレッシャーです。そういった‘例年通り’という部分をまずはひっくり返したかった。

庄本:なんかゴッツいプレゼン資料作ってましたよね?

池村:そうそう。だって「ARCSです」なんて言っても、向こうとしてはどこの馬の骨かわからないでしょ。だから、今までどんな実績があるのか、会の中で人気が出た高校は受験者数がどう伸びたのか、などを資料化して説得しました。資料作りはメチャクチャ大変でしたけど。

管野:でも、その甲斐あってか都内の新規校はほぼ二つ返事で快諾してくれたよね。私たちの理念や熱意が伝わったんじゃないかな。

池村:あとはコンテンツの見直しですね。前述した目的もあって参加校を絞ったので、一校あたりの持ち時間を例年の倍近くにしました。そのかわり濃く紹介するという。

庄本:間延びするかな…とも思ったんですが、全くそうはならなかったですね。むしろ学校ごとのプレゼン力というか説得力に差がわかりやすく出たかな。

管野・庄本ココだけの話

池村:良くも悪くもですよね(笑)。そのあたりは後で詳しく話すとして、新しく加えたコンテンツとしては、管野・庄本両氏の「ここだけの話」、それから私と庄本氏の「受験校はこう決めろ」というプチコーナーですね。これらを随所にちりばめたので、一校の時間が長くても飽きずに聞けたと思います。

管野:プチコーナーはかなり評判が良かったね。全体的にメリハリが出てテンポが良くなる要因になったと思う。

池村:それから参加者への『お土産』ですね。今回は庄本氏がオリジナルのデータブックを作成してくれて、特にその中の‘寸評’が喜ばれていましたね。さすが学校分析のプロ(褒)。

庄本:あれぐらい余裕です(笑)。まあ冗談はさておき、我々の視点から良いところと問題点を失礼に当たらない程度ギリギリに書くわけですから、実際は結構苦労したんですよ。

池村:わかりますとも(笑)。でもあれは本当に的を射た内容ですよ。

管野:ああいう本編とは別のサブサービスも保護者が喜んでいた理由の一つだよね。

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