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子どもの交遊関係が心配なのですが…

中学生くらいになると子どもの行動範囲や交遊関係も小学生のときより広がるのが普通です。

回答者:管野 淳一

「子どもが友人たちとよくカラオケなどに行って遊ぶことが多く、また学校で”問題ある”子どもと出かけるのですが、どうすれば良いのでしょう。」

中学生くらいになると子どもの行動範囲や交遊関係も小学生のときより広がるのが普通です。特に思春期というのは自分のアイデンティティーを確立する時期であり、自分が一体何者なのか、何ができて何ができないのか、自分の能力や可能性を知りたくなり結果として評判の良くない子どもやグループに接近してしまうこともある。

まずそのことを親は理解すべきです。つまり子どもがある種の「危険な交遊関係」をもつことも一種の探索行動、大人になるために自分の可能性を広げる学習行動の一つだと考えるとムダな心配はなくなります。
今どきの中学生は、部活などでも大会が終わったといっては「打ち上げ」文化祭でがんばったといっては「カラオケ大会」など平気で行います。私たちの時代には考えられなかったことですが、これも時代の流れかも知れません。

一定のルールを課して子どもを信じる

ただその際、子どもとの間に一定のルールを設けることは必要。たとえば帰宅時間を決めてその都度必ず守らせる。遠出した場合(友人とディズニーランドなどへ行った)は、現地に着いた時と帰る時、そして間で1回必ず電話かメールをさせるなどです。

今は携帯やメールがあるので昔よりかえって報告させやすいので、きちんと連絡させましょう。こうして友人と外出する際のルールを明確化することでお互いのストレスを減らすことができます。

また、とかく問題のある子(いわゆる不良系や問題児)とつき合いがあってもそのこと自体を問題視する必要はありません。確かに親は心配だし不安になりますが、その心配不安自体が子どもを相手方のほうに追いやることになるので注意しましょう。

一番よくないのは「あの子と遊んではいけない」など特定の友人との交遊をあからさまに禁止することで、子どもの反発を招くだけです。

親が子どもに対して小さい頃から、人としてやってはいけないこと、他人とどう触れ合うのがよいことかをきちんと示し、親もその規範を守って生活しているのなら子どもの中に一種の規範意識が育っているものです。
なのでむやみに子どもを心配せず、たとえ一時的に「悪友」たちの規範に染まったとしても必ず踏み止まるものです。子どもも決してバカではなく、友人をうまく使い分けているものです。もしかしたらお子さんは、皆から問題と言われる子に対して「良いところ」を見出しているのかも知れません。

「問題ありといわれる子」は実は、その他大勢の人と同じことしかしない平凡な子より魅力的なのかも知れません。
いずれにせよそれはお子さんにしか分からないことなのです。
そしてそういう経験(交遊)が後の人生に役立つこともあるのです。人間の幅を広げる経験をしているのだと考えて信じましょう。

何度も言うことですが、親が心配することは「お前を信用できない!」というメッセージを子どもに強烈に発していることになります。

子どもを本心から信じていれば必ず子どもは戻ってくるものです。

最低限のルールを守らせた上で子どもを信じる。

よく聞くコトバでしょうがこれが最強の方法ということです。

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