教育研究所ARCS

【1月】入試直前はこうして乗り切れ

受験カレンダー

いよいよ今月から本格的に入試が始まる。ありきたりの言葉だが、決して後悔しないよう全力を尽くしてほしい。
ところで冬期講習、年末特訓を経て君たちもやっと受験生の顔になった。正直なところ我々もたのもしさを感じている。しかしこれで満足するわけにはいかない。そこで本番を直前にした今、心すべきいくつかの大切なポイントについて話したい。

集中力を最大限に発揮せよ

今ほど集中力を必要とする時は、長い人生の中でもめったにないということをまず自覚したい。確かに現在の君たちは以前に比べて相当集中力が高まっている。だが、我々の眼から見るとまだ完全とは言えない。甘さが残っている。
入試まで指折り数えられるほど時間が迫っている今こそ最高度の集中力を発揮しなければならない。そのためにはどうするか。以下具体的に述べる。

1.問題を解く時は自覚的に解け

塾の授業も家庭学習も問題演習が中心である。どちらの場合も、まず何割正解すればよいか考えなければならない。決して漫然と解いてはならぬ。特に過去問を解く時は5割とか6割とかの達成目標を、そのつど設定せよ。さらに問題をさっと見渡してレベルを把握せよ。それからどの問題から解くか決め(易しいものからでも、最初からでもよいが、とにかく順番を一応決め)て、必ず制限時間内に終わらせよ。

一番悪いのは、1つの問いにずっとかかりきりになることだ。ある程度考えたら次に移れ。そして正解を聞いて採点し、目標に達しない場合次回は達するよう強く念じるのだ。また間違えた問題はその場で正解を書きながら、どうして間違えたのか自分なりに納得するよう努めよ。

とにかく入試問題演習は、実戦のカンを養い自分の弱点をあぶり出し、あとどれくらい足りないかを知るために解くのである。満点をとることが目標ではなく、足りないことを嘆くためでもない。合格点を取ることが目標である。それ以外の余計なことは一切考えてはならない。

2.スピード感を身につけよ

集中力を高めるもっとも簡単なコツは、スピードを身につけることである。君たちの中には問題を解く時、実にノンビリ、ゆったり解く人が多い。この時期はそういう「ノロマ」なやり方はまずい。

たとえば入試問題(1教科)を50分で解くと、解答解説に30分かけ、休んでまた解くというやり方だが、ここに工夫が要る。本番が50分なら45分でやるべきだ。解答も自宅でやる時は15分~20分でやり、どうしても疑問が解けないものは後で先生に訊く。こうして3教科やると、(45分×3)+(15分×3)=180分、もう3時間である。これを一気に休みなくやる。5教科なら5時間だ。

これをノンビリやると、3教科やり終えるのに優に5,6時間かかるだろう。時間のムダだ。スピードアップすることでムダが省け能率が上がり、集中力もアップする。集中力がアップすると体内時間感覚が変化し、たとえば3時間ぶっ通しでも長くは感じない。さらにこの集中力アップは再びスピードアップにつながる。その結果起こることは急速な得点力のアップである。図にすると以下のようになる。

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3.受験したらその日のうちに忘れろ

今月から私立高校の入試が始まる。最初の「本番」を経験することになるが第1志望校以外の人は、「本番」が終わったらその日のうちにそのことを忘れて、次に備えたい。

たいていの人は第1志望(本命)までに複数校受験すると思うが、「本命」受験までは前の結果を引きずってはならない。誰でも受験した後は「できた」とか「できなかった」とか、合格した、あるいは失敗だったとその結果にとらわれてしまう。
しかし、終了のベルがなった瞬間全ては過去になったのである。もう1度やり直すことは不可能だ。冷静に自己採点し、至らなかった点をすぐに次につなげるよう頭を切り替えるべきだ。

つまり第1志望校以外は受かっても落ちてもどちらでも良い(もちろん全部受かるに越したことはないが)くらいの割り切りが必要なのである。
なぜこんなことを言うかというと、入試―特に私立入試―というものは実力通りに結果が出るとは限らないからだ。当日の体調や問題の内容、倍率、他にも様々な要因がからんで、例年より難化したり―逆に易化したり―して思わぬ結果になることが珍しくないのである。偏差値などはほとんどあてにならない。だから、落ちたイコール実力がない、受かったイコール実力の証明とは断定できないのだ。

従って失敗して落ちこむことも、受かったからといって有頂天になることも実に実に危険なことと言わざるを得ない。(もちろん実際に落ちたらショックである。しかしだからこそ切り替えが必要なのだ)このことは頭ではわかっても、気持ちの上で納得することは君たちにとって難しいことだろう。

だが今から心して欲しい。何校も受け続け成功するためには、そのつど集中しひとつ終わればすぐに忘れて気持ちを切り替え、さらに次に挑むという“闘う”姿勢が必要なのである。
我々講師陣も君たちの目標達成のために闘っているのである。第1志望合格という大目標を見失わず一緒に闘っていこう。

贈ることば

贈る言葉

俺たち(講師)も最後まで君たちのために闘っていきたい。
君たちが試験場にいるとき俺たちの魂もそこにあるのだということを忘れないでほしい。