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緊急対談 ~TALK LIVE宴の後~

talklive宴の後

三人衆がこぞってブログに報告を載せているトークライブ。
しかし大盛況の余韻に浸るばかりではいけません。興奮冷めやらぬうちにと、コーヒーで一服しながら反省会を。

トークライブでテーマに挙げたことがらをもう一度整理しつつ、まとめの対談としてご覧いただければ幸いです。

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池村:ふ~~っ…。皆さん、お疲れ様です。でも心地よい疲れですよね。今回はエンターテインメント要素もふんだんに取り入れて、お客様には「ためになった」「楽しめた」と思えるようなものに頑張ったので、やっていた我々も楽しかったですね。私の登場はつらかったですが(笑)。

 

管野:そうそう、池村君の登場はまだお客さんが笑っていいのかどうか、戸惑っていた感じだよね。でも徐々にムードが高まっていったから良かったんじゃないの?

庄本:私の手品は練習段階では上手くいかなかったので、本番では成功してホッとしましたよ。

池村:え、あれで成功だったんだ(笑)。

庄本:またショボイとか思ってるんでしょ…成功ですよ、成功!

ゲーム、携帯・スマホは持たせて良いのか?

池村:このお題、お悩みの一番目としては最適だったかもしれませんね。終了後のアンケートにも、この件で悩んでいたっていうコメントが結構ありました。

庄本:トークライブの中でも言ったんですが、「どういう使い方をしているか」「どんな仕組みになっているか」などを親も把握して、それを作る側というかクリエイティブな方向に誘導するのも一つの手だと思うんですよね。

池村:その意見、アンケートには一部反論もあったんですが(笑)、私はそれ分かりますよ。私がゲーム狂いだった話はしましたよね。でもその一方で、ゲームの音楽を再現したくてパソコンでプログラミングとかしてましたからね。まあ簡単なベーシック言語で、ですけど。

管野:作る側の楽しみ、みたいな入口に立ったわけだね。

池村:そうなんです。だからそのためにゲーム会社から出ているLPレコード(古っ!)を買って、それについている譜面をデータに起こして…これが小6の時の話です。だから実はゲームクリエイターになりたいな、と思っていて。

管野:そういう話なら分かるな。私もその年代の頃にマンガ好きが高じて、本当にプロの漫画家になりたいと思っていたから。でもエネルギーを注ぎ込めば注ぎ込むほど、プロにはなれないっていう限界が見えちゃって諦めたんだけどね。

庄本:仮にプロになれなくても、そういうふうに創造性の部分が刺激されれば、決して現代の携帯とかスマホも悪くはないと思うんですけど。

管野:まあ、でも基本的に子どもが携帯(スマホ)を持つ必要はないんじゃないか。そんなヒマがあれば本でも読め(笑)。

池村:夢中になれるものがそういうスマホとかしかない、という場合が心配ですよね。

管野:いつの時代にもさ、最新の流行に飛びつきたくなるのは子どもの習性として仕方ないと思う。ただ、昔と違うのはマンガとかファミコンとか、えーとあれ…何だっけ、なんかゴムでプロペラが回るみたいな。

庄本:ゴム動力のプロペラ飛行機ですか?

管野:それそれ。ああいうのって子どもだけが夢中になるものだったでしょ。それが今は携帯とかスマホ、パソコンとか大人も夢中になるような情報機器では子どもと大人の境目がないもんね。

池村:大人でもネットの世界にどっぷりハマっている人、少なくないですよね。そういったコミュニケーションツールに振り回されている点では子どもも大人も変わらないかも。

管野:うん、だから子どもだけを問題視する前に、大人自身が次々と出てくる‘最新商品’に飛びつくその「おろかしさ」とか、コミュニケーションに飢える「寂しい現実」、そうまでして「他人とつながっていたい孤独感」等、自らの内面と向き合うことが先でしょう!

庄本:ごもっともです。まずは大人がコミュニケーションツールとの付き合い方を確立してから、ようやく子どもに「使うな」または「使え」というアドバイスが出来るのかもしれませんね。

時間の使い方(計画性)について

池村:時間の使い方、これもよくあるお悩みだったので取り上げました。まあ、自分は苦手な分野なのですが(苦笑)。

管野:君と私はそうだな(笑)。生徒にも、先生という立場上、‘計画表’作らせて時間管理をさせたこともあったけど、守る生徒は2~3%ぐらいだったよ(笑)。

庄本:トークライブの中で言いましたけど、私は親も覚悟を決めて一時的につきっきりで管理するのもありだと思うんですよね。子どもにとってその経験は、後で自ら考えて行動する時に生きるはずですから。

池村:従うことができる子どもなら、それもアリですけどね。私みたいにどうしたって言うことをきかない子どもは放っておくしかない。それで痛い目を見ればいいんです!

管野:確かにね(苦笑)。ただ、子どもたちにスケジュール管理をさせる利点もある。子どもは何かというと「時間がない!」と連呼するけれど、細かく一緒に見ていくと‘いくらでも時間がある’ことが分かるからね。

talk-live-3庄本:そうなんですよ。子ども自身に‘時間の無駄遣い’に気付かせることができるし、たとえ忙しくても短時間で質の良い勉強や仕事が可能なんだと理解させるきっかけになるわけですから。

池村:なるほど。むしろ忙しい時期ほど集中力が増して、高い完成度でいくつもの仕事をこなすことができるものでなんですよね。今まさに自分がそのモードに入っている気がしますから(笑)。

管野:入ってる入ってる(笑)。ただしね、親が‘勉強させるため’という企み(笑)をもってスケジュール作成を強制しても上手くいかないのが難しいところなんだよ。結局は話の中にも出た‘チェックリスト’で十分だし、子どもに失敗させて恥をかかせるとことも大切だよね。
成績・勉強の問題

池村:一番ディープな悩みを第一部の最後にもっていきましたが、まだまだ話し足りない感が残りましたね。でもこれって最初から結論が出ているような…。管野先生のブログにも書いてありますけど、子どもが‘学問の面白さ’に気付くこと、これしかないと思うんですが。

管野:話が終わっちゃうじゃないか(笑)。でもまあ、そういうことなんだけど。

庄本:困ったことに、これを言うと多くの親が、「そんなの理想論でしょ」って、思っちゃうんですよね。そうじゃないってことを本当の意味で伝えるのって、一番骨が折れるんです。

管野:そうなんですよ~。「だって現実的に内申とかもあるしぃ…」とかね。あえて言うけど、そういう親は短絡的(笑)! まったくもって愚かです。

池村:私ら若輩者にはそこまでの言い方はできませんが、誠に同感であります(苦笑)。

管野:目先の点数だけ見て親が一喜一憂して、ガミガミ言うと子どもは形式的な勉強に逃げるじゃない? むしろ逆効果なんだよ。‘受け身’で‘形だけの勉強’に追い立てることで、かえって学力を低下させてるわけでしょ? これは罪!

庄本:おそらくそういう親は、自分自身が「勉強とはつまらないもの」「勉強とはテストのために嫌々やるもの」という経験しかしてこなかったんじゃないかな。

池村:ここ我々が言っている‘勉強の面白さ’っていうのは、よく巷で言われる「解ける喜び」とかそういう次元の話じゃないんです。純粋にその学問領域の奥深さにハートが震えて、もっと学びたいという欲求が湧き出るような、そういう喜びです。

庄本:最近は、大学入試はもちろん高校入試問題も単純に‘覚えればできる’というものではなく、知識と知識を深く結び付けて総合的に理解しているかが問われますからね。それはトークライブの中で管野先生が言ったような、面白くて面白くて勉強なんて意識はまるでない、純粋に没頭するような経験の中から培われるものが大きい。それは間違いないですよ。

池村:勉強の‘やり方’がどうのこうのという話が必ずますが、万人に絶大な効果を発揮するそんな方法はないっていうのが我々の結論です。でも、あえて言うならコレが「正統的な勉強法」だと思いますね。

管野:それにしても、とかく親はテストの点数など目に見える数値を問題にしがち。だけど‘学力’というのは全てが点数に出るわけじゃないんだよ。やっぱりね、点数よりも後々大事になってくるのは「思考力」「背景を読み取る力」ですよ。それがあれば点数にも簡単に反映されるわけだし。

庄本:そんな世間の誤解に拍車をかけるように、多くの塾が「中間・期末の点数上げます!」とか挙句の果てには「上がらなかったら授業料を返金します!」とかを謳い文句にしているわけだから始末に負えないですよ。

池村:返金しなくて済むためにはどうすればいいか。言わずもがな、点数を上げるためにどんな手でも使いますよ。無理矢理詰め込んで何が何でも~って。子どもの未来をつぶすことを平気でやるんです(涙)。犯罪行為だと思いますよ、実際。

管野:だからダメな塾でしょ、そういうことやるの(笑)。

池村:またそんな言い方して…(汗)。でもほとんどの塾が程度の差はあれ似たようなスタンスですから、親子ともどもかわいそうです。

管野:さっき庄本君が、「親が勉強を苦行だと思っている」という意味のことを言ったけど、今からでも遅くないから(笑)、親自らが何か興味関心を持てるものを見つけて、一所懸命に学んでみてほしい。親が変われば子どもの姿勢も変わるよ? 自分が変われば相手も変わる。コレ、人間関係の基本だからネ!

talk-live-4池村:反省会っていうより、ライブの続きみたいな感じになっちゃいましたが(笑)。管野:私はまだまだ喋りたい(笑)。

庄本:あっという間の2時間だったから、私たちもちょっと喋り足りなかったですね。でも見ているお客様にも我々の主張や、どういう人間なのかが分かってもらえたんじゃないかな。自分と親との関係も赤裸々に語ったし。

池村:それにしても、会場から質問をしてくれた方がいて良かったですよね。最初に質問を募ったとき「シ~~ン」っていう文字が見えるぐらい静まり返りましたからね。

庄本:質問された方、みんなが思っていることを代弁してくれた感じで、こちらも伝えたいことが言えましたよね。でも実行してもらうためには親の心構えというか覚悟が必要だし、形だけやろうとすると上手くいかない。

管野:それこそ君たちが言っていた。何気ない一言、これは重要なんじゃないかな。企んでいない純粋な本音だからこそ、子どもに響く。じゃあ企まずに実行するために重要なことは何か。それは、例えば「勉強は面白い」というようなことを本気で信じてるってことなんだよ。これこそが必要かつ十分条件だっていうことを分かって欲しい。

池村:企まずに何気なく数学用語を用いましたね(笑)。ともあれ、トークライブ第2弾に向けての細かい反省点も見えてきましたから、次回はもっと面白くなるでしょう。

管野:え、第2弾いつあるの?

庄本:12月の初旬ぐらいにやりたいって、この前話したじゃないですか。

池村:でもその前に6月、7月、9月に講演会、さらに10月と11月には私と庄本先生の保護者対象特別講座もありますから、時間が許す限り足を運んでいただきたいですね。もちろんARCSのイベントですから、どれも内容から演出までご満足いただけるものにしますよ。ということで、皆様よろしくお願いします。